『失敗は予測できる』 読了。著者の中尾政之氏は畑村洋太郎氏(”失敗学”の)の協力者あるいは後継者というところか。「人類未知の事故はほとんど起きない」 ことを改めて明言し、過去の事例と現在の状況との類似性に気づくことが失敗を回避へと導くのだと説明してくれている。失敗回避の方法についてもいくつかの回避パタンが紹介されていてなかなか参考になった。筆者の ”要求機能の設定にこそ力を注ぐべき” という意見には三流SEの自分には非常に耳が痛く、新書で済ませようとする姿勢からして反省を促されたような気がしてきたり。もう少しこの辺の解説書も読んだりもせねばな。事例も豊富で偏りが無いし、組織の問題や事故後の対処にも視点が向けられているので、”失敗”の全貌を俯瞰するには丁度良いのではないかと思いつつ職場の仲間にも紹介してみたり。しかし、折ったり線を引いたりが激しいので手元の本を貸すことはできないから是非購入をと勧めつつ光文社には感謝してもらいたいと思ったり。

ところで、本書第2章の 「失敗は回避できる」 の章では、不幸な事件や不運な事故は2つの要素が出会うことで起こると解説されている。また、そこに第3の要素を加えることが失敗回避の基本パタンらしい。例えば、飲酒運転による交通事故とは、”酔っ払い” と ”自動車” との不幸な出会いによって引き起こされるもので、この状況に対して 「酔ったら乗るな」 のようなスローガンを掲げるだけでは事故を回避することはできないわけで、そこに3人目の遭遇者として、”運転代行できる人” を登場させれば飲酒運転はスムースに回避されるわけである。

ところで、こういう話題になると、やはり頭の中は事故回避手法のことなどよりも、その 「不幸な出会い」 のことばかりが想像されてしまうものである。僧侶とカツラとか。小学生とエロ本とか。(いま突然、バイクで移動するお坊さんの多い理由が判ったような気がした) ついでに言えば、何か第3の要素を加えるとなるとさらに第4、第5の要素の乱入までも想像せずにはいられないものである。酔っ払い+自動車+運転代行+犬+オバQ。僧侶+カツラ+バイク+犬+オバQ。もうすっかり不真面目が定着してしまっているようである。反省しつつ、失敗知識データベース(http://shippai.jst.go.jp/) にもアクセスしてみたり。

夜更まで残業。義妹が遊びに来ているので、お土産にコンビニでヨーグルトを3つ買って帰る。