有志で飲み会。ビンゴ餃子を2回やった。最初は餃子が7つで、そのうちの1つが激辛地獄への片道切符。5人だったので誰か2人が2つ食べなくてはならない。ジャンケンに負けた瞬間に手前の2個を箸でつかみ、口に放り込みビールで体内に流し込み、清らかな水を1杯注文してごくごく飲む。美味しかった。激辛餃子を食べたのは、もう一人のジャンケンに負けた彼女。目の前で涼しい顔をしている。ジャンケンにも負けるし、たぶん自分が激辛餃子を食べることになると言っていたが、そのとおりになった。神秘的。途中メンバーの入れ替わりがあって、再び、ビンゴ餃子、タ〜イムッ! もうやめようよ、と言っても聞いてくれない。もの凄く体の弱いオレさまは、激辛餃子など食べようものならたちまち内臓が溶解して骨だけを残して死んでしまうかも知れない。絶対に食べたくない。食べたくないと思う心が強まれば強まるほど、いっそ終わらせてしまいたいという衝動が強く湧き上がってくる。わずかコンマ数秒の間の葛藤ののち、思わず手前の1個に箸を伸ばしてさっさと口に放り込もうとしたら、いきなり腕を押さえられた。もういいから死なせてくれと訴えるも聞き入れられず。皆で同時に食べるのがマナー。合図をして一斉に食べる。さっさと口に放り込みビールで体内に流し込み、予め用意してあったコップ1杯の水を一気に飲み干す。美味しかった。誰が激辛餃子を食べたのか分からない。やがて誰かがY山さんのジョッキのビールがごっそり減っていることに気づく。Y山さんがついに泣き始める。ある事実を受け入れ難いと感じながら、しかしまだ転回する可能性が残されているときには人は怒り、逆にどうにもならないときには悲しむのだと梅原猛が言っていたが、そのとおりだと思いながら慌ててもう1杯の水を注文したり。

ほぼ終電近くまで騒いでいたわけだが、地元の駅に着いたら、ホームのベンチで深い眠りに落ちている人を見つけたので、どうしてそういう気になったものか、起こしてやることにした。肩を叩いてもなかなか起きない。死んでいるのですか、ビンゴ餃子を食べたのですか、話しかけるがなかなか起きない。じつは起きているのだけれども、ヘンな勧誘かも知れないと用心深く寝たフリをしているのかも知れないが、こちらも親切の押し売りとして後に引けない心理状態。しつこく肩を揺さぶったらやっと目を覚ました。片方脱げた靴も探してやる。せっかく気持ち良さそうに眠っていたのに無慈悲な事をしたかも知れないとも思ったが、どうせもうすぐ駅員に起こされるのなら、せめて何らかの電車のあるうちに目を覚ましたほうが良いはずなのだと、途方に暮れているその人を尻目に、逃げるように改札を出て家路を急ぐ。