文庫をまた2冊購入。そのうち1冊は、いま読んでいる岡崎武志の 『読書の腕前』 という新書のなかで紹介されていた 『ヘンリ・ライクロフトの手記』 で、もう1冊は最近妻が黙々と読んでいる 『赤毛のアン』 である。岡崎武志が先の新書のなかで、”ツン読しかありえない” と書いているのを読んで、まったくだ、と同感しつつ胸を張ってレジに並んだものである。とはいえ、基本的には読みたいから買うわけで、問題となるのは、つまりどの順番に読むのかということなのである。この点が本当に困る。本当は他にもう2冊、欲しい本があったのだが、ずいぶん書棚のまわりをうろうろしてから、とりあえず今日はやめておくことにした。

帰宅してみたら妻の姿が見えない。一瞬、事件かと思ったが、すぐに義母と食事に出かけると言っていたことを思い出す。着替えて台所に行ってみるとフライパンに山盛りの焼きソバを発見し、小躍りしながら温めて食べる。トマトのスープもあるよ。気兼ねなくお代わりをしてその2杯目も食べ終わろうかという頃に妻が帰ってきた。義母の奢りで、かに道楽でフルコースを平らげてきたらしい。うーむ。焼きソバがたちまち色褪せて映る。オレさまの反応を見越してか、義母は土産にかに寿司の折り詰めを妻にもたせてくれたらしい。うーむ。すでに焼きソバで満腹のオレさまにである。うーむ。とても残念だが食べられそうな気がしないと告白すると、妻は 「カニは足が速いから」 などと言いつつ折り詰めを開いて太巻きを頬張り始めた。悔しいので1つだけわけてもらう。世の中は何かが間違っている。