O西さん、M村くん、O田女史、オレさまの4人で飲む。
秋葉原の新しいビルの、日本酒が中心のような感じの新しい店。

和風の料理がなかなか美味しくて、ビールのあとは焼酎を飲みながら、お造りとか、
あんこうの唐揚げとか、卵焼きとか、まあいろいろと注文してみたりする。
鯛の頭のなかにはまた小さな鯛がいるということで、皆で鯛のかぶと焼きを箸で解体しながら、
そのタイの形をしているとかいう頭の骨をさがしたりもする。
やがてO西さんがそれらしきものを発見し、箸でつまみあげて、

「これ鯛のイデア

とかいうものだから、たちまち皆の瞳が輝いてしまった。

オレさまも何か気の利いたことを言ってやろうと思って、
ここでまた 「人間は死ななくなるかも知れない」 をやってしまった。
M村君がこういう話に乗ってくるタイプなのがまたいけない。
会計が終わっても、帰りの電車のなかでも、サイボーグ化と記憶のバックアップの話は
延々と終わらなかった。いちばん若いO田女史だけが拒否反応を示していた。
若くて健康な人ほど機械の身体の必要を感じないのだ。

オレさまは銀河鉄道999に乗ってみたい。